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自分で離婚公正証書を作成する場合のポイントを解説

離婚ブログの著者は行政書士の辻雅清

協議離婚では夫婦間協議で離婚条件を決めていきます。
そして最終合意した条件を書面に残したものが離婚公正証書です。
主な離婚条件として親権、養育費、面会交流、慰謝料、財産分与などがあります。

このブログでは自分で離婚公正証書を作成した場合のメリットやデメリットをお伝えします。

【目次】

○ 自分で離婚公正証書を作成するメリットとは?
○ 原案の内容に法的な問題があるとどうなる?
○ 自分で離婚公正証書を作成するデメリットとは?
○ どういった条件の書き漏れがある?
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?
○ 無料相談から始めませんか?

自分で離婚公正証書を作成するメリットとは?

① 費用の節約ができる
② タイミングが合えば10日程度で完成

離婚公正証書は全国各地にある公証役場で作成できます。
先ずは夫婦間で合意した条件の原案を作成し公証役場に提出することから始めます。

補足ですが離婚公正証書の最終作成者は公証役場の公証人です。
つまり自分で離婚公正証書を完成することはできず厳密には離婚公正証書の原案を作成するまでとなります。

公証人に原案の内容を口頭で伝えても構わないですが、
伝え漏れを防ぐためにもメモ用紙などに書き留めて提出することをお勧めします。

なお、原案は離婚公正証書のテンプレート(ひな形)レベルではなく箇条書きでも問題ありません。

行政書士などに依頼をすると原案作成に対する報酬支払が必要です。
自分で原案を作成する場合は公証役場手数料と実費だけで済むので①費用の節約ができます。

公証役場手数料の計算方法はこちらをご覧ください。

なお、最近は作成費用補助金(養育費のみ)を出す自治体が増えています。
お住まいの地域の自治体が実施していれば公証役場手数料の節約に繋がるので確認してください。

費用の節約ができる。これが自分で離婚公正証書を作成する場合の大きなメリットとなります。

原案の内容に法的な問題があるとどうなる?

公証役場に離婚公正証書の原案を提出すると、
公証人が原案の法的チェックをおこない問題がなければ原稿(案文)を作成します。

仮に原案の内容に問題があれば無効(削除)とされます。
削除したくない場合は修正のために夫婦間での再協議が必要となります。

再協議ということは完成期間が延びるので離婚スケジュールが狂います。

離婚公正証書の原稿完成後、夫婦間で内容を確認します。
問題がなければ作成日の予約をして2人で出向いて署名すれば離婚公正証書の完成です。

公証役場の予約(混雑)状況にも左右されますが、
うまくいけば原案の提出から②10日程度で完成させることができます。

なお、祝日のある週や12月は混雑しやすいので予約が取りにくいです。

余談ですがここ数年は10日程度で完成できるケースが少ないです。
想像の話ですがコロナや自治体の公正証書作成補助金の影響かと考えています。
つまり予約が取りにくくなっている印象があります。

以上が自分で離婚公正証書を作成するメリットとなります。
メリットに惹かれて挑戦する方も多いですがデメリットも知った上で決めてほしいです。

自分で離婚公正証書を作成するデメリットとは?

① 間違った情報をもとに夫婦間協議をしている
② 大事な条件の書き漏れをしている可能性がある
③ 無効な条件で合意をしていると離婚スケジュールが狂う

自分で離婚公正証書原案を作成する場合、
自分で離婚の知識や情報を集めてから夫婦間協議を始めます。

最近はインターネットで離婚情報を集める方が多く、
①間違った情報をもとに話し合いをして最終合意をしていることがあります。

インターネットから得られる情報は手軽で便利ですが、
全てが正しいとは限らないので真偽の見極めが大事と言えます。

またテンプレート(ひな形や文例)を丸写しする方が多いですが、
意味を理解していなかったり不要な条件を記載しているケースがあります。
例)年金分割で3号分割の該当者なのに合意分割の合意を記載している。

テンプレートを丸写しすることは悪くないですが、
最低限、各条件の意味を理解してから丸写しするようにしてください。

間違った情報で作成した離婚公正証書原案の効果は半減します。
離婚後、間違いに気付いても対策できないないことが多いのでご注意ください。

間違った情報をもとに話し合って離婚後に後悔する。
これが1つ目のデメリットになるので覚えておいてください。

どういった条件の書き漏れがある?

・通知義務という条件の書き漏れ
・清算条項という条件の書き漏れ

自分作成した離婚公正証書原案のチェックをおこなうと、
②通知義務や清算条項といった離婚後のトラブル防止に役立つ条件の書き漏れが多いです。

こういった書き漏れが起きないように慎重に作成する必要があります。
離婚条件の書き漏れがあると時間をかけて作成した離婚公正証書の効果が半減します。

補足ですが離婚後に離婚公正証書の作り直しは可能です。
ただ元配偶者の同意が必要なので現実的には最初の1回がラストチャンスです。
例)離婚前に納得して作成したんだから作り直しなんてできない。

書き漏れが起きた場合は離婚後に後悔する。
これが2つ目のデメリットになるので覚えておいてください。

最後に③離婚公正証書は無効な条件を記載することはできません。
事前に公証人から離婚公正証書原案の有効無効のチェックを受けます。

仮に公証人の事前チェックで無効という判断をうけた場合、
夫婦間で離婚条件の再協議をおこなう必要があり離婚スケジュールが狂います。
例)公証人から無効と言われたので自宅に戻って再協議を始めた。

夫婦間で合意した条件なら全て記載できる。と誤った認識をしている方がいるのでご注意ください。

なお、夫婦間で再協議をする時間がなければ削除することもできます。
優先度の低い離婚条件の場合、削除を選択するご夫婦もいらっしゃいます。

仮に離婚後の手続きとの兼ね合いで離婚を急いでいる場合、
養育費などの条件を妥協せざるを得ない状況になりかねないのでご注意ください。
例)保育園の入園手続きがあるので今月中に離婚したい。

個人的には優先度の高い離婚条件の削除はお勧めできません。

無効な条件があると離婚スケジュールが狂う。
これが3つ目のデメリットになるので覚えておいてください。

ここでお伝えしたデメリットを知らずに離婚公正証書原案を作成した場合、
後々後悔する可能性があるので依頼の有無は別として1度は専門家への相談をお勧めします。

当事務所を含めて無料相談を実施している行政書士は多いです。

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