清算条項のひな形をわかりやすく解説
離婚協議書や離婚公正証書原案作成に役立つひな形をお伝えします。
ここでは清算条項の基本的なひな形(テンプレート)を公開します。
当事務所でも利用しているので自分で作成される方は参考にしてください。
注)わかりやすいように細かい表現や文言は削ったひな形です。
清算条項のひな形の解説の前に1点だけ大事なことをお伝えします。
離婚協議書や離婚公正証書の作成目的は完成ではありません。
離婚後のトラブルや未払いを防ぐことです。この意識が欠けると後悔します。
例)離婚条件を書面に残したのにトラブルが起きていたら作った意味がない。
【目次】
○ 清算条項のひな形と文例
○ ひな形のポイントは作成する書面の種類
○ ひな形を利用する時の2つの注意点とは?
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?
○ 無料相談から始めませんか?
清算条項のひな形と文例
甲及び乙は、本協議書(本公正証書)に定めるほかには、名目の如何を問わず、金銭その他の請求をしないことを確認した。
清算条項とは夫婦間で合意した離婚条件について、
離婚後、お互いが蒸し返さないというトラブル防止に役立つものです。
例)預貯金を50%ずつ分配したのに離婚後70%に変更してと蒸し返す。
全ての離婚条件を決めてから離婚届を提出するご夫婦が多いです。
この状況のご夫婦の場合、清算条項は必ず必要となる条件となります。
なお、清算条項には2つの例外があります。
例外の話をすると話が逸れるのでこのブログでは割愛します。
ひな形のポイントは作成する書面の種類
ひな形(文例)には「本協議書(本公正証書)」とあります。
両方を書く必要はなくご夫婦が作成すると決めた書面の名称を書いてください。
離婚協議書を作成する場合は本協議書となり、
離婚公正証書を作成する場合は本公正証書と書いてください。
他の部分はひな形(文例)を丸写しで問題ありません。
ただし、丸写しをする前に清算条項の意味を理解することを忘れないでください。
離婚時の状況が下記に該当するご夫婦の場合は注意が必要です。
夫「ある程度条件は決まってきたね。」
妻「ここまで決まったのなら離婚届を出したい。」
夫「わかった。今決まっていることだけ書面に残そう。」
妻「まだ決まっていない財産分与の条件は離婚後に協議しよう。」
離婚時の状況に応じて離婚届の提出を優先するご夫婦がいます。
例1)子どもの保育園の入園手続きをしないといけない。
例2)離婚原因が不倫で配偶者と同じ家に住むことが耐えられない。
このように一部の離婚条件の協議を離婚後(先延ばし)にする場合、
上記ひな形に「財産分与は除く」という主旨の但し書きを加えてください。
注)余程の事情がない限り、全ての条件に合意してから書面作成することが望ましいです。
基本的に離婚条件の協議は離婚前に全てするべきです。
つまりこのように一部の離婚条件を離婚後に協議するのは稀なケースです。
最後に全ての条件に合意してから離婚協議書や離婚公正証書を作成する場合、
清算条項が欠けていると作成する意味が薄まるので書くことを忘れないでください。
ひな形を利用する時の2つの注意点とは?
① 意味を理解せずにコピペしている
② 複数サイトのひな形をコピペしている
先ずひな形を利用する方はコピペを前提としています。
ひな形には難しい言葉や言い回しが多く含まれています。
この結果、①意味を理解せずにとりあえずコピペをしている方が多いです。
意味を理解していない場合、離婚後にトラブルが起きるかもしれません。
トラブルが起きて後悔しないためにもコピペするなら意味を理解することが大事です。
そしてひな形を利用する方は複数サイトから情報を得ていることが多いです。
なぜなら自分に合ったひな形を1つのサイトで全て見つかる可能性が低いからです。
例)Aサイトは浅いけど全般、Bサイトは養育費、Cサイトは不動産に特化。
各サイトによって表現や言い回しは異なります。
つまり複数サイトからひな形をコピペした場合は同じ条件を二重に記載している可能性があります。
この結果、まとまりがなくわかりにくい離婚協議書や離婚公正証書ができます。
冒頭でお伝えした離婚協議書や離婚公正証書を作成する本当の目的から逸れていきます。
当事務所では離婚協議書などのチェックをする機会が多いです。
ほとんどの方がこの①と②の状況になっているので自分で作成する方はご注意ください。
◇ 養育費のひな形と文例を解説付きで掲載‐離婚協議書と離婚公正証書作成
◇ 慰謝料のひな形と文例を解説付きで掲載‐離婚慰謝料Q&Aも掲載
◇ 財産分与のひな形と文例を解説付きで掲載‐子ども預貯金や生命保険も解説
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このページ以外にも内容が充実した離婚ブログを掲載しています。
お時間があれば離婚に役立つブログの記事一覧もご覧下さい。よろしくお願い致します。
離婚チェックシートの回答から始めませんか?
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